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物語
1830年代、イタリアの医師で冒険家のジュゼッペ・フェルリーニは、スーダンの砂漠で宝物を求めて数十基に及ぶヌビア王家のピラミッドの頭頂部を次々と破壊した。女王アマニシャケトのピラミッドからは見事な黄金の宝飾品が発見されたが、当時のヨーロッパではアフリカにこれほど精緻な金細工技術が存在したことを信じようとしなかった。この無謀な発掘により、メロエのピラミッド群は今も頂部が削られた痛ましい姿を残している。
クシュ王国と200基を超える急勾配ピラミッド
紀元前3世紀から紀元4世紀にかけて栄えた古代クシュ王国の首都メロエには、エジプト全土の合計を上回る200基以上のピラミッド群が築かれた。ギザのピラミッドよりも小ぶり(高さ6〜30メートル)で、約70度という極めて鋭い傾斜角を持ち、東面には死者を祀る供物礼拝堂が付属している。
クシュ王国は「カンダケ」と呼ばれる強力な女王たちが君臨した。ローマ帝国がエジプトを属州化した際、クシュ軍は北上してローマ軍と戦い、初代皇帝アウグストゥスの銅像を戦利品として持ち帰った。
ヌビアの人々は皇帝の首を切り離し、メロエの神殿の入口の敷居の下に仰向けに埋めた。神殿に入るすべての者がローマ皇帝の顔を踏みつけるように意図されたのである。この青銅の頭部は1910年にそのままの状態で発掘され、現在は大英博物館に展示されている。
メロエは大規模な製鉄産業でも栄えた。2011年にユネスコ世界遺産に登録されたメロエのピラミッド群は、ナイル川上流に花開いた黒人アフリカ文明の偉大な記念碑である。