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物語
紀元前356年7月21日の夜、世界の七不思議の一つに数えられたエフェソスのアルテミス神殿が炎上した。放火犯はヘロストラトスという無名の市民であり、自白の中で「後世に永遠に名を残すためだけに世界一の神殿に火を放った」と語った。当局は死刑を科し彼の名を語ることを禁じる記憶抹殺刑(ダムナティオ・メモリアエ)を布告したが、歴史家が記録に残したことで「ヘロストラトスの名声(悪名による自己顕示欲)」という心理学用語が生まれた。
墓室の上に建てられた図書館
ローマ帝国のアジア属州の首府として繁栄を極めたエフェソスで最も息を呑む建築が「ケルスス図書館」である。西暦117年、元老院議員ケルススを追悼してその息子が建立したもので、アレクサンドリア、ペルガモンに次ぐ古代世界第3の規模を誇り、1万2000巻以上のパピルス巻物を所蔵した。読書室の床下の地下墓室にはケルスス本人の大理石石棺が眠っている。
建物をより雄大に見せるため、中央の円柱を両端よりわずかに高くし、正面全体を外側にわずかに湾曲させるという高度な視覚矯正(オプティカル・イリュージョン)が施されていた。
人類史上最初の広告
262年のゴート族襲来で内部の巻物は焼失したが、2階建ての優美な大理石ファサードは奇跡的に倒壊を免れた。
大理石の舗装路面には、女性の横顔、ハート、そして一つの「足跡」が刻まれている。これは娼館の方向を示す人類史上最初の広告看板とされ、足跡のサイズによって利用客が成人年齢に達しているかを判定する実用的な基準でもあった。
2015年にユネスコ世界遺産に登録されたエフェソスは、テラスハウスの極彩色のモザイクや大劇場とともに、古代地中海都市の壮麗な姿を伝えている。
所在地
Atatürk, Uğur Mumcu Sevgi Yolu, 35920 Selçuk/İzmir
37.9395, 27.3417